パブリック-舞台-プライベート

  日常の中の非日常ではなく、非日常の中の日常を描く。
  一見すると異常な世界観だけど、その世界の住人たちにとっては
  いつもの出来事、って感じがするノス。
  それが心地いいノスノス〜。
                ラーメンズ第12回公演「ATOM」- アトムより - より


片桐の言葉。
これは本音、と受け取っていいんじゃないか。
台本はすべて小林が担当しているので、言わせているのかもしれないが。
だとしても、小林が伝えたかったのだろう。


これは人間観察に近い。
ファミレスや電車などで、自分が知らない他人の、友達同士が喋っているのを観察して楽しむ感覚だ。


完全に自分の手元から離れた現象。
他人の日常。
それを覗く。
しかし、凝視、笑う、あるいは自分が参加することは許されない。
他人のプライベートとされるからだ。
見聞したくとも、おおっぴらにはできない。
その状況自体も、おもしろいのだが。


他人の日常を「舞台」というパブリック「的」な空間で演じることにより、
観客はそこに参加することを許される。
他人の日常を、こちらが干渉される心配なく、観察できる空間が出現するのだ。


他人のプライベートをおおっぴらに観察できる快感。
それを笑うことができる快感。
これらは観客にとっては、普段体験することのできない非日常体験といえる。
日常体験とのズレが、快感とともに笑いを生み出しているのか。


公共圏-wikipedia-