彼を外部化してはいけない

中田英寿引退宣言。
マスコミはお祭り騒ぎ。
まぁ、とりあえず落ち着け。


報道のされ方がいささか気に食わない。
「彼は日本に初めて欧州サッカーの考え方を持ち込んだ・・・どうのこうの」
と言ってる解説員の顔、肩書きを注意してみて欲しい。
スポーツを専門に扱っている人だろうか?
芸能デスクの人や、ただの芸能人ではないか?
そもそも、芸能デスク、って何だよ。


   「彼が類稀な才能を持っている」 
 = 「日本人離れ」 
 = 「外国かぶれ」
 = 「彼は特別な存在だった」


と、間に妙な等式が見え隠れする言われ様。
同じような図式としては、


  「ヒデさんは特別だから・・・」
= 「彼のレベルにはついていけない」
= 「彼が特別だっただけ」
= 「私は何にも悪くない」
= 「だから追いつけなくてもいい」


といった考えが読み取れてしまう。


彼を外部化してはいけない。


確かに、    「彼は優れた才能を持っている」(現在進行形)。 
しかし、  = 「彼は特別な存在だった」   (過去形)   ではない。
上記の等式が成り立ってしまうと、彼と私を断絶させ、あたかも何の関係性も無かったかのように振舞うエクスキューズになりかねない。


彼の残してくれた遺産、教えてくれたことは大きい。
浮かれない、考える、自分やチームの実力を冷静に見極める、変に馴れ合わない、主張する、自分を絶えず磨く。
それが彼の世間的イメージで、日本人離れしていると特別視されてきたと思う。
彼を特別視した、というコトは日本人は彼の逆だったんじゃないか?
浮かれる、考えない、見極めようとしない、馴れ合う、主張しない、磨かない。。
でも、それが日本人なんだ、わかってくれよ。
という甘え。
そんな甘えは、世界(W杯)では通用しないことがわかった。


彼を外部化してはいけない。
彼は陰湿ないじめにあっていた。
力が必要なときだけ呼ばれ、そうでないときは避けられる。
「君すごいねー、私にはできない仕事だわ。だからこの仕事もやっといて」
ああ、素晴らしきいじめの世界。
それでも、彼は仕事をやり続けた。
嫌味の意味は一切なく、彼はすごいと思う。
本当におつかれさまでした。


あ、あともう一つ。
中田の引退について、松井秀喜にコメントを求めるのを止めろ。
W杯開幕のときにもコメントを求めに行っただろう。
松井も断ればいいのに、求められてコメントを残すんじゃない。
落ち着いて考えよう。
彼は野球選手であって、サッカーに関係ない。
彼がW杯を見ようと見まいと知ったこっちゃない。
野球界の中田?
意味わかんない。


世の中いろんな等式がありすぎて困る。