W杯寸評Ⅲ

ドイツ × アルゼンチン
    1 − 1
   (4 − 2)


ドイツ、勝つには勝ったがこの先大丈夫か。
バラックが担うCMFのポジションは、不調のままこなせるほど生易しいポジションではない。
オフェンシブにいくならボロウスキも居る。
復調しないままのバラックが出場しては、この先危うい。
アルゼンチン、ピッチ中央・足元で勝負していれば。
好調だった飛び出し型のサビオラでなく、キープ型テベスという選択。
リケルメテベスのプレイエリア及びプレイスタイルが被りお互いに活きない。
クローゼとの交錯でGKアボンダンシエリの負傷交代、浮き足立つ。
得点差をキープするならリケルメを交代させるべきではなかった。
「守る」というのは単にディフェンシブな人選をすることを指さない。
アルゼンチンはボールキープで守ることができるチームだ。
カンビアッソ投入はセオリー的には正解だが、このチームにおいては不正解だった。
FWクレスポ → FWクルス。
セットプレー対策もあって高さで勝負に行ってしまった。
ドイツDFは高さに強く、足元に弱い。
中央で突っかけていける、アイマール、メッシが有効だったはず。
この試合、アルゼンチンは強みを活かせず全体的に中途半端だった。
MVPは豊富な運動量で攻守共に支えたソリン。



イタリア × ウクライナ
     3 − 0


ザンブロッタ、キレキレ。
やはりトニは1トップで活きるようだ。
リーグでは1トップのトニ。
今まではジラルディーノとの2トップ。
互いにタイプは違うが、スペースを潰し合ってしまっていた。
あまり動かないトッティセカンドトップに据えることで、プレイの中心ができた。
トニがスペースをつくり、2列目・サイドから飛び出し、トッティがパス。
次戦、試合から遠ざかっていたデ・ロッシを出すかどうか、悩みどころだ。
ウクライナシェフチェンコの調子は良かった。
後半、自分で持ち込んでルーレット→ワンツーは圧巻。
ファウルの判定にはなったものの、この試合一番の美しいプレーだった。
シェフチェンコを活かせる選手が居なかった。
せめてもう一人、タレントが居たら。
MVPは、頭を打ちながらも声を出し続けて、鼓舞・統率したブッフォンに。



イングランド × ポルトガル
       0 − 0
      (1 − 3)


特に見るべきところがなかった。
イングランドは相変わらずルーニー1トップ。
ランパード、ジェラードは不調。
右利き左サイドのジョーコールのクロスは警戒しなくてよい。
ベッカムの高精度クロスもクラウチがいないから警戒しなくてよい。
決定力不足、代わり映えしないメンバー。
イングランドは全体的に不調、トーナメント進出は出来過ぎだった。
ポルトガルは助かった。
デコの不在がここまで露骨に出るとは思わなかった。
C・ロナウドフィーゴ共にサイドの選手。
キープは出来るがそれどまり。
中央でボールを持てる選手が居ない。
マニシェも迂闊に飛び出せない。
次戦、デコ、コスティーニャの復帰でやってくれるでしょう。
MVPは、足が重いイングランドチームの中で孤軍奮闘したハーグリーヴス



ブラジル × フランス
     0 − 1


いやぁ〜、ブラジルここで消えますか。
前半なぜにロナウド1トップだったのか。
リードされて後手後手。
シシーニョ出すなら最初から出せ。
アドリアーノ出すなら最初から出せ。

ロナウジーニョも特になにもできずに終わった。
一方のジダンはもう、聖域に入っている。
なにか憑いている。
後のないジダン率いるフランス、これからもメンタルで負けることはないだろう。
アンリの1トップ、危ういには危うい。
リベリーの飛び出しでなんとかもっている。
サッカーは点を決めねば勝てない。
ずっと1トップでいくのか。
リベリーが機能しなくなったら。
トレゼゲの調子は良いらしいけど。
不安は残る。
MVPは、安定してゴールマウスを守ったバルテズ