W杯寸評Ⅰ
オーウェンの負傷でFWが三枚のイングランド。
ルーニーのワントップ。
慣れないシステム、これは厳しい。
中盤の選手は皆ミドルを打てる選手だが、
それが活きるのはFWのタメがあるからこそ。
セカンドトップ型のルーニーの良さも消されていた。
しかし、それを運動量で補ったルーニー、ベッカム。
ベッカムは後半15分にフリーキックを決めた後、疲労のため嘔吐したそうだ。
それでも代えないエリクソン監督。
ロスタイムに入って交代させる采配は、いかがなものか。
MVPはカルロス・テノリオのシュートを防いだアシュリー・コール。
エクアドル、イングランド、互いの良さが消された試合だった。
ポルトガル × オランダ
1 − 0
ボラルーズの故意のファウルでレッドカードを出すべきだった。
そこから審判の迷いが出た。
妥当なイエローもあれば、そうでないものも。
クリスティアーノ・ロナウドは次戦出られるのか。
シモンが代わりをやれなくはないが、
個人的にロナウドの遊び心は好きなので。
デコの出場停止も痛い。
攻撃の起点からフィニッシュまで、すべてデコが関わってきた。
要を失ってチームが機能するかどうか。
もう一つの精神的支柱、イエロー1枚のフィーゴ、
次戦のために下げたのはスコラーリ監督の英断。
MVPはイヴァノフ主審。
イタリア × オーストラリア
1 − 0
劇的幕切れ。
イタリアは後半早々10人になり、バランスが崩れて攻めあぐむ。
誰もがFWインザーギの出場を期待していたと思う。
そんな中、決して好調でないトッティを出した一種の賭けは、見事に当たった。
デルピエロからトッティへの交代でプレイエリアが変化、サイドから中央へ。
中央オフェンシブに位置どるトッティ、というポストとなるパス目標ができ、
攻めのリズムパターンが変化、その結果のグロッソの攻め上がり→PKといえるだろう。
イタリアは勝ったものの、代償は大きい。
マテラッツィのレッド、グロッソ・ザンブロッタ・ガットゥーゾのイエロー。
ただでさえネスタが負傷しているのに、ディフェンシブ要員が欠けるとまずい。
前戦もそうだが、審判のジャッジに疑問が残る。
イタリアの優勝を予想してるんだけど。
いけるかなぁ。
スイス × ウクライナ
0 − 0
クリーンな好試合。
お互いにセットプレーから決定的シーンをつくるが
わずかにそれたり、ポストに当たってゴールはならず。
フレイのフリーキック、グシンのヘディングは惜しかった。
シェフチェンコはやっぱりすごい。
後半22分、右サイドからドリブル→左足ミドルシュートはGKも反応できないほど。
これが左サイドからだったら右足だったら、と想像させるほどのプレー。
気になったのは延長後半の、スイスFWシュトレラーに対するウクライナMFグシンのファウル。
あれはPKだと思うがね〜。
ボールにはいっているものの、蟹バサミを狙ってたようにみえる。
あれで集中力が切れたか、スイス。
前半13分のスイスMFヴィッキーのミドルシュートと、巧みなフェイントでキッカーを惑わしPKを止めた、ウクライナGKのショフコフスキがMVP。