W杯寸評Ⅱ

ブラジル × ガーナ
     3 − 0


結果的には3−0だが、圧倒したという感じはない。
前半を1−1で終わっていたらどうなっていたか。
ただブラジルの決定力が異常。
決定機は必ずものにする。
攻めだけでなくプレッシング技術が高い。
中盤でボールを奪うと、全員走り出す。
誰も後ろを向かず、無駄なキープはない。
「とにかく走る、中盤プレスでボールを奪う、2列目からの飛び出し、
 前を向いている人にパス、走っている人にパス」
基本中の基本。
難しいことはやっていないが、どれも高レベル。
ロナウドロナウジーニョが上がり調子。
2・5列目ゼ・ロベルト、4列目カフーロベカル、さらに5列目ルシオの飛び出し。
誰もが飛び出せて、パス精度も高い。
皆の攻撃意識・守備意識がかみ合ってきた。



フランス × スペイン
     3 − 1


フランスの堅守をスペインはこじ開けられなかった。
フランスはブラジルのような全員攻撃ではなく、守備と攻撃の明確な分割。
後列はあがらず、中盤で攻める。
セットプレーはきっちりと。
前半はあくまでアンリを主軸に展開していたが、
スペインのオフサイドラインにひっかかる。
後半は修正して主軸をジダンヘ。
アンリはエゴイズムを捨て囮に徹し、その分、中盤は縦横無尽に動いて守備を混乱させる。
そこへジダンの柔らかなスルーパス
フランスもまとまり始めた。

スペインがここで消えるのは残念。
グループリーグは楽な組だったので、大量得点して問題点や修正点がぼやけてしまい、多くのタレントがいる分、人選を迷った。
フェルナンド・トーレスの調子次第だった、ともいえる。
残念ながら、あのメンバーの中にラウルの居場所はなかった。
セスクの成長に期待したい。