いくつかの考察メモ

http://plaza.bunka.go.jp/index_ie.html
文化庁メディア芸術祭10周年企画アンケート 日本のメディア芸術100選


企画展やるなら是非行こうと思う。
まだまだ観てない作品が多いな。
やっぱ自分はアニメーションに興味が強いらしい。
最近の作品なら3分の1はカバーしてる。

アニメ、っていうとオタクとか萌えとかがイメージされちゃって敬遠する人も多い。
特に中年層に行くと拒否反応に近いものを感じる。
芸術作品として扱われるものなんだけど。
映画とはまた違うか。
宮崎事件をひきずってるのか。
ジェネレーションギャップ。


宮崎勤 - Wikipedia



大学の授業内でなにかしらの作品制作をすることがあって
結構アイデアは出せたんだけど、実現させるスキルが無くて悔しい思いをした。
いまさらながら、勉強しとけばよかった。
イデアだけでは評価されないのよね。


大塚英志つながりで思い出した。
物語消費論において面白い考察があった。
スターウォーズシリーズは、なぜ成功したのか」


まあ結論から言ってしまえば、ジョージ・ルーカスが監督から製作総指揮にまわったから、らしい。
エピソード4の成功後、エピソード5・6と本人は監督を務めていない。
5・6はいわば4(原作)の同人であるという説。
ここからは本を読んだ私の解釈が多分に混じるが。


壮大なバックストーリーのなかの切り抜きを見せられた観客は、自分の望むバックストーリーを想起する。
5・6の監督及び脚本の人は4の観客のうちの一消費者であった。
消費者が望んだストーリーがそのまま消費者へと伝わる。
原作者よりも消費者のほうがより作品に近いともいえる状況が起こる。
となると、シリーズものでは、原作者が作品を作り続けても
それが消費者に受け入れられ続けることにはならないことになる。
監督自身のメッセージ性が強いものならともかく
(強いものは大体一作で終わるものだ)
娯楽性の高いものならば、原作を作った後は消費者に任せてしまう方が興業的にもリスクが少なくなる。
ハリウッドには、このようなビジネス上手な「製作総指揮」なるポジションが存在する。


日本にはハリウッド的娯楽作品はあまり見られない。
映画の世界で言えば、マンガの実写などはあるものの、圧倒的に「原作」をつくれる人材が少ない。
(まあ、日本人の容姿でSFはキツいとか、ファンタジーが苦手とか、良くも悪くも非日常を日常に組み込んでしまう癖のようなもの、があるように思う)
他方で、アニメーションが世界的に評価されている。
しかし、評価は作品自体よりも制作した監督にあるようだ。
作品を見れば監督が分かってしまうほどに、監督自身のコンセプトが出る。
優れたアニメーション監督(主にアニメーター出身)だからこそ、作品内のすべて(画、構図、コンセプト)を支配してしまう。

ジブリを例に見れば、『ゲド戦記』(見てないけど)の評価が散々なように、
ジブリ宮崎駿 の図式が消費者側には出来上がっている。
彼の作品でなければジブリでないという一見矛盾したような構造になるが、このプロダクションは制作者と消費者との間の見えないコンセンサスが深いようだ。
↑の作品は、ジブリでなければ悪評すら立たなかった。
またPRODUCTION I.Gを例に見れば、
押井守攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』という「原作」の同人として
TV版、神山健治攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』が独立して存在したからこそ成功した。
だが押井がコンセプトアイデアを出した『SAC 2nd GIG』ではコンセプト・娯楽性ともに破綻する。
コンセプチュアルなら、制作時間やプロモーションからいって、いまのところアニメ映画が最も適した媒体であるだろうし、娯楽性を高めるならば、監督から製作総指揮に回るべきだ。


メディアミックスという名で、同人世界はすでに広がっている。
メディアミックス - Wikipedia
メディア芸術祭の受賞作品で言えば、『新世紀エヴァンゲリオン
serial experiments lain
BLOOD THE LAST VAMPIRE
ほかにも『カウボーイビバップ』『交響詩篇エウレカセブン』など
同じキャラクターを使えば物語を幾通りも複製できるもののヒットが多い。
一つの物語がヒットすれば、他の物語もヒットする可能性が高い。
新規顧客の取り込みも兼ねて一石幾鳥。


モチーフ説(自作)についてもメモしておこう。
新世紀エヴァンゲリオン』の神話。
交響詩篇エウレカセブン』の音・リフ。
ラーゼフォン』の琉球・音楽。
仮面ライダーカブト』の料理。
作品のなかに一貫した要素を盛り込んだものが増えている。
特にエヴァラーゼフォンの対比は面白そうだ。
まだ後者を見終わってないのでなんともいえないが。
神話や伝承など、聞いたことはあるが詳しくは知らないものには物語消費の要素が内包されている。
そもそも、それ自体が物語であるのであたりまえといえばそうなのだが。
エヴァ使徒という数の限定によって、カウントダウン効果が発生。
序盤から見る側の想像を誘わせる効果があった。
ラーゼフォンの、琉球伝承内のニライカナイという地名。
ちょっと期待できるが、予備知識が無い。
神話レベルの大きな物語に昇華するかどうか。
サムライチャンプルー』ちょっと見たけどおもしろそうだ。


琉球民族-Wikipedia


いったん内省モードになるとけっこうな量書くな、俺。
琉球文化、流行らないかな〜。
うちなーたいむにならないかな〜。
なんくるないさ〜。