死んだらおどろいた!!

丹波哲郎氏、死去。
これといって本人に思い入れがあるわけではないが、このニュースを見たときなぜか気になった。
しばらくして思い出したが、『大霊界』を見たことがあったからだ。
いや、正確には『丹波哲郎大霊界』。


中学か高校だったかにペンションを営む友人宅に大人数で泊まりにいった。
ペンションにはいくつかマンガやビデオが置いてある。
夜、「何かビデオ見ようぜ」と言い出す。
ビデオの選抜は私に一任された。
これは「ボケろ」という前フリだと解釈した。
私は考えた。
  ここはメジャーな作品よりマイナーな作品だろう。
   洋画より邦画のほうがいいかな、字幕が嫌な人も居るだろうし。
    普段ひとりでは見ない作品。
     「コレかよw」といわれるもの。


プレッシャーを感じながら選抜した結果、


丹波哲郎大霊界 死んだらどうなる』


仲間の反応は上々だった、、と思う。なんだかんだで最後まで見たし。


内容というか作り方がおもしろかった。
普通、宗教の類は、胡散臭さを隠そう、、
フィクション→ノンフィクションへ、という方向に働くものだ。
「この教えにはこれこれこういう理由があって何たら、」というように。
でも丹波氏は違う。
「霊界はこうなんだ!死んだらこうなるんだ!」という揺るぎない確信がある。
これはもう信心や思想ではない。
なぜなら本人が教祖だから。
でも組織発って思想を広めようとしてないから胡散臭さが入り込む余地がない。
布教を意図しないことによる宗教の無臭化。
そして、見たことのように話す強さ。
というか本人は生前、本当に霊界を見たんだろうね。
「霊界というのはだな、信じる云々ではなく事実なんだ。」という言葉。
実際、ビデオ作品のタイトルには『丹波哲郎の』と明記してある。
他の誰でもない、丹波哲郎、個人の世界。
異論をはさむこと自体がナンセンス。
これは他人に受け入れられることを趣とした主張ではない、啓蒙だ。
霊界への絶対的確信。

世間は永らく、これをネタとして処理しようとしてきたわけだが、従来の宗教の枠を軽々と超えた『丹波哲郎大霊界』に魅力を感じたからこそ、ビデオ化されるまでに至ったんだと思う。


願わくば本人の希望する霊界に逝くことを。
ご冥福をお祈りします。


丹波哲郎 - Wikipedia
霊 (曖昧さ回避) - Wikipedia