栄光を可能にする男

言葉だけは知っている、行ったことがある、知人が勤めている、あるいは自身が働いている…。
いまや「ホストクラブ」の存在を知らない人は居ないのではないだろうか。
古くはスーパーテレビ情報最前線に代表されるように「裏側モノ」として扱われていた時代があり、そこでは暴力や蔑視を含む目線で語られていた。
そこから長いスパンが空いてここ数年で水商売業界の見直しが進んだ。
その理由として、この業界はメディアにとって再評価の余地がある題材であったこと、また視聴の下地ができ始めていたことが大きな要素であった。
男女色恋ドラマがネタ切れを起こし、膠着していたメディア界にホステス・ホストは新鮮なネタとして快く迎えられたのである。


ここ数年の動きを追ってみよう。
まず『女帝』『嬢王』『夜王』といった、倉科遼に代表されるようなマンガが表舞台に現れ再評価され、次々とドラマ化される。
2004年からは小説『黒い太陽』が連載され、2006年にドラマ・マンガ化されている。
関連して同時期、ドラマ『大奥』が2003年から連続して放送され、2005年には男女の立場が逆転したマンガ『大奥』が出現した。
2002年より連載しているマンガ『桜蘭高校ホスト部』では劇画以外としていち早く設定にホストクラブが取り入れられている。


これらは、ここ数年間のマンガのドラマ化の動きと同調して一大ブームとなった。がしかし制作側のブームであって、視聴者間のブームにはなりえていないのが現状だ。お笑い界でも元ホストを売りにしたヒロシや城咲仁が登場したが、熱しやすくは冷めやすく長くは持たなかった。
そんななかでの新星が、栄光を可能にする男 狩野英孝だ。
ホストを題材にする、ホストキャラで攻める、のではなくイケメンを押し売りする。これならバリエーションが可能だ。
笑おうと思って見ると笑えず、耐えようと思って見ると吹いてしまう。
こんなキャラは久々に出会ったので今後の成長に期待。